危機一髪

夕食を作っていた時である。

数種類の野菜を切り、冷凍していたお肉を解凍する。

よし！後は炒めるだけ。

フライパンに油をひき、お肉を投入！

ジュ～！と、勢いよくお肉が小気味良い音をたてる。
と、その瞬間

何かが視界に入った。

目の前に、ぷら～んと浮いているのはクモ。

うわっ、と思わず後ずさる。

クモの下では、今投入したばかりのお肉がジューと焼ける音を出している。

慌てたように糸を登ろうとしていた。

しかし、火の熱気が立ち上り、糸を揺らし彼を追い詰めていた。

糸を掴もうか一瞬迷ったが、
私はとっさに彼の下にあるフライパンを避ける方を選んだ。

ぽとり。

彼は五徳の間に着地。戸惑いながらガスコンロの下に逃げ込んで行った。

ふぅ～。
危なかった。

フライパンの中に落ちていたらと思うとゾッとする。

私も彼も危機一髪であった。

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